新型ムーヴ2025の発売日はいつ？

2025年6月5日。全国一斉発売で、発表から1か月で約3万台の受注を記録。

価格はいくらから？

1,358,500円〜2,024,000円（税込）。L・X・G・RSの4グレード構成。

RSターボとNAの違いは？

RSターボは中速トルクと静粛性が圧倒的。NAでも街乗り中心なら十分な走りを実現。

人気のカラーは？

シャイニングホワイトパールが最多（約35％）、次いでサンドベージュ・ブラックマイカが続く。

【新型ムーヴ2025 完全ストーリー】価格135万8,500円〜・発売日6月5日｜両側スライドドアで“軽の次元”を超えた日

11年の沈黙。 その時間を埋めるように、ダイハツムーヴは2025年、 新しいドアと新しい使命を携えて帰ってきた。それは単なるフルモデルチェンジではない。軽という存在が、もう一度「誇り」を取り戻す瞬間だった。

雨上がりの午後。ディーラーの窓越しに見えた新型ムーヴのボディラインは、光を受けてまるで息をしているように輝いていた。その佇まいに、僕はひとつの言葉を思い出した。 「道具は、人の気持ちを映す鏡だ。」

初代から数えて7代目。 2025年6月5日、ムーヴは再び動き出した。その手には、初めての両側スライドドア。軽ハイトワゴンというカテゴリの中で、 “走り”と“暮らし”のちょうど真ん中を射抜いてきた一台が、ついに**生活に寄り添う利便**を自らのものにした。

■ 新型ムーヴ2025の進化を一目で理解する図表
結論：発売日・価格・世代・トピックを30秒で把握
ボディサイズ＆室内：数字より“乗降の回数”が効く
カラー：全13色（2トーン含む）と“人気の傾向”
走りと燃費：NAで十分／RSで余裕。HVは“無し”
旧型からの買い替え：進化の本丸は「日常の楽さ」
ライバル比較：タント／スペーシア／ハスラーの中での立ち位置
FAQ（桐生直哉が友人からよく聞かれる質問に答える）
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引用元・参考資料（一次／準一次・URL付き）
注意書き（法務／信頼性）

■ 新型ムーヴ2025の進化を一目で理解する図表

項目	新型ムーヴ（2025）	旧型（2014〜）
発売日	2025年6月5日	2014年12月12日
ドア形式	両側スライドドア	ヒンジ式
プラットフォーム	DNGA（次世代軽専用）	旧KFアーキテクチャ
価格（税込）	1,358,500円〜2,024,000円	1,122,000円〜1,771,000円
カラー数	全13色（2トーン含む・新色あり）	全9色

出典：ダイハツ公式リリース・モデルPDF（2025年6月）

ヒンジドアからスライドドアへ――。その変化を“便利になった”とだけ表現するのは、たぶん浅い。実際に展示車のドアを開け閉めしたとき、僕の頭に浮かんだのは「進化」ではなく、“優しさ”だった。指先で軽く触れただけで静かに閉まる。カチリという音が、まるで日常のノイズを一瞬消してくれるようだった。

この小さな変化が、きっと大きな幸福につながる。通勤で毎日乗る人、子どもを乗せる人、親の病院に送る人。「毎日の“繰り返し”を、もう少しラクに」そんな願いを叶える力を、このムーヴは手に入れたのだ。

そして何よりも驚かされたのは、価格設定の潔さだ。スライドドア化というコスト増にもかかわらず、ベースモデル「L」は135万8,500円から。この価格を実現するために、メーカーと現場の努力がどれだけあったか、僕は少し知っている。安く見せるための“削ぎ落とし”ではなく、本当に必要な装備だけを残した結果だ。

「高機能を高価格にするのは、誰にでもできる。でも、“手が届く進化”を作るのは、勇気のいることだ。」

その証拠に、発売から1か月――受注3万台。 月販目標の5倍という数字が、市場の答えだ。派手な宣伝よりも、“本当に必要とされた”ことの証明。それはきっと、どんな広告コピーよりも美しい評価だと思う。

僕は思う。ムーヴというクルマは、昔から「小さな自由」を運ぶ存在だった。大げさな夢を見せるわけでもない。でも、仕事帰りの夜道や、休日の買い物帰り、ふとハンドルを握ったときに、「ああ、今日もこの車で良かったな」そう思わせる温度を持っている。

今回の新型で、その“温度”がさらに柔らかくなった。スライドドアはただの構造じゃない。 **人の暮らしを包み込む新しい扉**だ。ムーヴは、いままで以上に生活の内側へと入り込んできた。

これが本当の意味での「軽の進化」だと思う。数字や燃費ではなく、人の時間をどう変えるか。その問いに、正面から答えたクルマ。それが、新型ムーヴ2025だ。

結論：発売日・価格・世代・トピックを30秒で把握

信号が青に変わる。アクセルを軽く踏み込むと、新型ムーヴ2025はスッと前に出た。軽くて静か。ステアリングが驚くほど正確で、まるで自分の意思がタイヤに直結しているような感覚だ。そう、このクルマは「数字」ではなく「感触」で語るべきだと思った。でも――あえて最初に、その“数字の凄み”から整理しておこう。

項目	最新情報（2025年10月時点）
発売日	2025年6月5日（全国一斉発売）公式発表後、わずか1か月で受注3万台突破。それは、マーケットが“待っていた”証拠だ。
価格（税込）	1,358,500円〜2,024,000円 L／X／G／RS（ターボ）の4グレード展開。ターボ仕様は“軽の限界”を感じさせない余裕の加速。
モデル世代	第7世代（DNGA第2フェーズ） 11年ぶりのフルモデルチェンジ。走り・静粛性・安全装備のすべてが一新された。
注目トピック	両側スライドドア初採用（ムーヴ史上初） RSターボで中速トルクが劇的向上新開発色「グレースブラウンクリスタルマイカ」を含む全13色月販目標6,000台に対して約5倍の受注を記録

出典：ダイハツ工業公式リリース（2025年6月5日）／主要諸元PDF・Car Watch報道より。

■ ハンドルを握ってわかった「数字の裏側」

試乗の最初の1分でわかる。このクルマ、開発者は“毎日のリアルな不満”を知り尽くしている。低速域のトルクの出方、ステアリングの切り始め、アイドリングの静けさ。それらが全部、運転者の“無意識なストレス”を先回りして消している。そして何よりも驚くのは、価格がこの完成度で135万円台〜という事実だ。

Lグレードでも装備は必要十分。 Gになると快適装備が一気に増え、RSでは「軽とは思えない加速の伸び」を体感できる。試しに高速の合流で踏み込むと、ターボが一瞬で立ち上がり、追い越し車線を気持ちよく駆け上がる。 走りながら笑ってしまった。 軽が、ここまで来たか――そう思わせる力がある。

■ “届く高級感”という哲学

内装の質感は、もはやコンパクトカーを超えている。ステッチの精度、メーターの照明トーン、スイッチのクリック感。それらを指先で確かめながら、「ああ、これで135万円か…」とため息が出た。かつてムーヴは高価格志向で遠くに感じられたが、今回はまるで“生活の手のひらに収まる高級感”を目指している。使う人の日常を想定して、装備と価格を緻密に調整しているのが伝わる。

「高級を追うんじゃない。日常の中で“上質さを感じる瞬間”を作るんだ。」

これは開発者が語っていた言葉だ。実際に乗ってみて、その思想が走りにも滲んでいる。ブレーキを軽く踏んだ瞬間、ペダルの奥で感じる剛性感。コーナーで車体がブレない安心感。 “上質”を見せびらかすのではなく、静かに積み上げた質感。 その完成度に、思わず笑ってしまう。

■ トピックをひとことで言うなら

「新型ムーヴは、“走る道具”から“暮らしの相棒”に進化した。」

スライドドアは利便。ターボは楽しさ。価格は優しさ。そしてその全部を、ひとつのハンドルの中で両立させている。ムーヴがここまで“ちょうどいい”と思えたのは、久しぶりだ。運転中、思わず口から出た。 「これ、ずっと乗っていたくなるな。」

ボディサイズ＆室内：数字より“乗降の回数”が効く

正直、ここまで変わってるとは思わなかった。ドアを開けた瞬間、空気が違う。新型ムーヴ2025は、数字じゃ測れない広さを手に入れていた。カタログを見れば全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,655mm――確かに規格の中に収まっている。でも、実際に乗り込むと、頭上と膝まわりに“想像を超える余白”がある。まるで「軽なのに背伸びできる」感覚。これ、運転席に座った瞬間に笑うレベルだ。

項目	新型ムーヴ2025	旧型ムーヴ（6代目）
全長	3,395mm	3,395mm
全幅	1,475mm	1,475mm
全高	1,655mm（＋25mm）	1,630mm
室内長	2,150mm（＋30mm）	2,120mm
ホイールベース	2,460mm	2,455mm

※メーカー公表値（2025年6月時点）／比較：旧型（2014年式ムーヴ）。

■ 座った瞬間、“軽”の感覚が消える

運転席に腰を落とすと、まず感じるのが視界の高さ。少しだけシート位置が上がったことで、ボンネットの先までしっかり見える。「おっ」と思って姿勢を正すと、フロントガラスの抜けが広く、思わず「これ本当に軽？」と声に出た。メーターの見やすさ、ダッシュの低さ、ミラーの位置。その全部が“人間の動き”に沿って作り直されている。しかもペダル位置が絶妙で、右足を動かす角度が自然。長距離を走っても足首が疲れない。

リアシートにも座ってみた。驚いた。膝の前にこぶし2個半分のスペース。 しかも背もたれがしっかり立ち上がって、腰がズルッと滑らない。この角度設定が絶妙で、後席でも背筋が楽なんだ。さらにスライドを後ろまで下げると、もう“プチ・ミニバン”。小さな車体に「ちゃんと座れる空間」がある。これ、想像以上。

■ 一番“効く”のは、乗り降りのストレスがゼロになったこと

正直、試乗するまでは「高さが25mm上がっただけでしょ」と思ってた。でもね、実際に乗って降りてみると体がラクなんだ。 ステップが低く、開口も広い。試乗中に何度も乗り降りしてみたけど、そのたびに「お、これイイ」と呟いてた。子どもや親を乗せる人なら、絶対に違いが分かる。 このクルマ、“一日の回数”に効く。

「クルマって、“一回の快適さ”より“毎日のラクさ”で好きになるんですよ。」

この言葉、開発者が本気でそう言っていた。彼らは「燃費」や「馬力」よりも、“乗降の回数”を意識して設計したらしい。その結果が、まさにこのドアの開き方。ハンドルを軽く引くだけでスッと開く。閉めると「トン」と静かに閉まる。その感触だけで、この車は丁寧に作られてると感じた。

■ 荷室は“想像の1.5倍”広い！

ラゲッジを開けた瞬間、思わず声が出た。「うわ、入るじゃん！」って。ベビーカーもそのまま載るし、買い物袋を横に積んでもまだ余裕。床が低くて、腰をかがめずに積み込める。試しにキャンプチェアを2脚とコンテナを積んだら、後席を倒さずにピッタリ収まった。 軽ワゴンの積載、ここまで来たか。

しかも後席を倒すと、ほぼフラット。寝袋を敷けば車中泊だってイケる。「ムーヴで車中泊？」って思うかもしれないけど、実際やってみたら意外と快適。 2m超の室内長はダテじゃない。このパッケージング、開発者、相当攻めてる。

■ 結論：“数字”より“毎日”が変わる

スペック表の数値は確かに大事。でも、このクルマは「生活リズムを変える設計」で勝負してきた。通勤・買い物・送り迎え・週末のドライブ。どのシーンでも乗るたびに「ラク」「広い」「気持ちいい」が積み重なっていく。結果、毎日のストレスが確実に減っていく。これが“乗降の回数に効く”という意味。 新型ムーヴは、生活のテンポそのものをチューニングしてきた。

カラー：全13色（2トーン含む）と“人気の傾向”

試乗の日。朝9時、ディーラーの駐車場に並ぶ新型ムーヴが朝日を浴びて光っていた。 白・黒・ベージュ・新色ブラウン。 4台が並ぶだけで、まるで違う車種のように見える。僕はまず、グレースブラウンクリスタルマイカに乗り込んだ。ドアを閉めると“カチッ”と小気味いい音。スタートボタンを押して、アクセルを軽く踏む。朝の光の中でボディが輝きながら動き出した瞬間―― 「この色、走ると本気で映えるな」と思った。

静止している時は上品なブラウン。でも走り出すと、反射でほんのり赤みが差す。日陰では深いブロンズ、日なたでは温かみのある銅色。信号待ちで並んだSUVのドライバーがチラッとこちらを見る。あの一瞬の視線が、たまらない。「軽なのに、存在感あるな」と言われた気がして、気づけば僕の口元が緩んでいた。

■ 走りながら見えてくる“色のキャラ”

同じ道を3色で走り比べてみた。 シャイニングホワイトパールはどこまでも明るい。日中の反射でボディラインがくっきり浮かび上がり、ムーヴの新しい面構えを強調する。まるで「軽の新基準は私です」と言わんばかりの堂々っぷり。対してブラックマイカメタリックは、もう真逆。昼間は引き締まって見えるのに、夜の街灯の下では艶が増して、 走るたびに高級スポーツのようなオーラを放つ。停車中より、走っているときのほうが“いい顔”をしている。洗車は確かに大変。でもそれすら楽しくなるほどの輝き方をするんだ。

そして、意外なダークホースがサンドベージュメタリック。ゆるい坂道で太陽光がボンネットに落ちると、ほんのりピンクがかる。軽なのに優雅。街のカフェの前に停めても浮かない。 “生活に溶けるお洒落”って、こういうことなんだと感じた。後部座席にいたカメラマンが思わず言った。「このベージュ、めちゃくちゃ写真映えしますね！」そう、被写体としても美しい。新型ムーヴのカラーは“静止画映え”じゃなく、“動画映え”する設計だ。

カラー名	特徴	人気傾向
シャイニングホワイトパール	清潔感と存在感を両立。街で最も見かける色。	人気No.1（約35％）
ブラックマイカメタリック	引き締まったボディラインが際立つ。RSで選ばれやすい。	男性人気・スポーティ志向層に支持
サンドベージュメタリック	柔らかく優しい印象。女性・ファミリー層に人気。	20〜40代女性から高評価
グレースブラウンクリスタルマイカ	見る角度で変化。大人の“余裕”を感じる色味。	★注目株・急上昇中
レイクブルーメタリック	青空のような爽やかさ。夏に映える。	若年層に人気

※データ出典：ダイハツ販売店ヒアリング（2025年6〜9月）・桐生独自調査

■ 人気の傾向と“街で映える色”

ここ数年、軽自動車のカラー人気は変化している。以前は「無難＝白」だったが、今は“自分の世界観に合う色”を求める人が増えた。特にムーヴの場合、「お洒落に見えるのに主張しすぎない」という中間色が人気。サンドベージュやブラウンがそれを象徴している。販売スタッフの話では、「展示車を見て即決する人が多い」という。つまり、写真ではなく、実物を見た瞬間に心を掴まれているということだ。

■ 2トーンは“遊び心ドライブモード”

試しにホワイト×ブラックルーフに乗り換えてみた。サイドミラーの黒が締まっていて、全体の印象がぐっとスポーティ。信号で止まった隣の車の人がチラッとこちらを見ていた。その瞬間、「あ、これ目立つ」と確信。普段クルマに興味が薄い人でも、“いい色だね”と口に出すレベルだ。たった2色の組み合わせで、街中の風景が変わる。この感覚、乗ってみないと絶対に分からない。

「色ってスペックじゃない。でも、“運転の気分”を上げるスペックなんだよ。」

ドライブ中、ふと信号待ちで窓に映ったムーヴの姿を見て思った。色が走りの一部になっている。静止しても、動いても、どこか“上機嫌”に見える。新型ムーヴは単なる道具じゃない。 「今日はどんな気分で走るか」を選べる車だ。

走りと燃費：NAで十分／RSで余裕。HVは“無し”

アクセルをひと踏み――その瞬間、ニヤッとした。 このムーヴ、ただの「軽」じゃない。 スタートの軽さ、ステアリングの反応、そして足回りの上質さ。走り出し数メートルで伝わってくる“滑らかさ”が違う。僕は何台も軽を試乗してきたが、ここまで自然に「もう一回走らせたい」と思ったのは久しぶりだ。最初の交差点を曲がったとき、思わず笑った。 「おいおい、これ本気で楽しいぞ」って。

今回のムーヴはNA（自然吸気）とRSターボの2本立て。そして、あえてハイブリッド（HV）を載せていない。 一見すると「遅れてる」と思うかもしれない。でも違う。これは“あえての選択”だ。ダイハツは「軽に求められる本当の気持ちよさ」をもう一度追いかけた。乗れば、その哲学がエンジンの鼓動から伝わってくる。

■ NAエンジン：街乗りで「これで十分」と思わせる完成度

まずはNAから。アクセルを軽く踏むと、まるで糸で引かれるようにスッと前に出る。低速域でのレスポンスが抜群で、信号が青に変わった瞬間に気持ちよく滑り出す。エンジンはKF-VE型。スペックは控えめだが、チューニングが絶妙。 CVTの制御も丁寧で、加速時の“空走感”がない。坂道発進でもストレスを感じず、軽くアクセルを足せば素直に登る。このフィーリング、まるで100kg軽くなったみたいだ。

そして静粛性。信号待ちで、あれ？と思う。エンジン音がしない。いや、あるにはあるが、心地よい“かすかな振動”だけ。走り出しても、ロードノイズとエンジン音のバランスが見事。軽自動車の「頑張ってる感」が消えている。これがDNGA第2フェーズの進化か。正直、初めて乗る人は「これ本当に軽？」と感じるはずだ。

30分ほど街を流したあと、僕はつぶやいた。「ああ、NAで十分だな」って。家族を乗せて、スーパーに寄って、週末にちょっと遠出。その全部を“自然にこなせる”。軽って本来、そういう道具だったはずだ。このNAモデル、まさにその原点を思い出させてくれる。

■ RSターボ：アクセルを踏むたびに“笑顔が出る”余裕

次にRS。シートに座った瞬間、ステアリングのグリップが太い。スタートボタンを押すと、軽やかなエンジン音の中に“芯”がある。踏み込んだ瞬間、ターボラグをほとんど感じさせずに加速が始まる。 0〜60km/hの到達が速い。 街中の流れに乗るどころか、余裕を持って抜け出せる。「軽ターボ＝ピーキー」というイメージはもう古い。このRSは、ブーストの繋がりが非常に滑らかで、 まるで“1.0Lターボ車”のような安定感。

峠道でも走らせてみた。コーナーを抜けるときのトラクションがしっかりしていて、リアが落ち着いている。一般的な軽だと腰が浮く場面でも、ムーヴRSは地面を掴んで離さない。ブレーキの踏み応えもガッチリしていて、「止まる」「曲がる」「加速する」が全部一連の動きで繋がる。その統一感が心地いい。何より、ステアリングを切った時の反応が鋭い。軽なのに、ハンドルを握って“ゾクッ”とする瞬間がある。 これは走り好きの血が騒ぐ。

乗り終えた後、僕は思わず声を出した。 「ムーヴ、ついにここまで来たか」。 RSターボは、もはや“軽”というカテゴリを越えてる。トルクの余裕、静粛性、乗り味、すべてが上質。正直、これを味わったら普通車に戻る理由が見当たらない。

■ 燃費：実走で20km/L前後をマーク

実測した燃費は、NAで約20.6km/L、RSで約18.9km/L。市街地中心でもこの数字。ターボでこれだけ走るのは正直すごい。スタートストップの再始動がスムーズで、渋滞中もイライラしない。アイドルストップからの再始動が一瞬で、 「止まっても気持ちが途切れない」感じ。ドライバーの集中を切らせない、上手な制御だ。

グレード	駆動方式	燃費（WLTC）	実走平均（桐生測定）
L / X（NA）	2WD	23.8km/L	約20.6km/L
RS（ターボ）	2WD	21.3km/L	約18.9km/L

※テスト条件：市街地7割／郊外3割・エアコンON・2名乗車（筆者実測）

■ HVを“あえて外した”理由がわかる

ここが一番面白い。 2025年の今、どのメーカーもハイブリッドを出している。でもダイハツは言い切った。 「ムーヴにはHVを載せない」と。開発者にその理由を聞いたら、即答だった。 「静かすぎるクルマは、街と会話ができないんです」と。僕はその言葉に鳥肌が立った。まさにその通りだ。アクセルを踏んで、エンジンの音を“聞く”。回転の上がり方でリズムを取る。それが運転の楽しさだ。 HVを外したことで、ムーヴは“ドライバーの感覚を取り戻した”のだ。

「数字じゃ測れない“気持ちよさ”。それが、ムーヴの答えだ。」

結果、燃費も悪くない。そして走りが楽しい。つまり、“運転する時間そのものが報われる”車になった。それが新型ムーヴの真価だと思う。 NAで穏やかに、RSで熱く。 どっちを選んでも、笑顔でハンドルを握れる。 それこそが、ムーヴが帰ってきた意味だ。

旧型からの買い替え：進化の本丸は「日常の楽さ」

6代目ムーヴに7年乗ってきた僕が、新型2025に乗り換えた瞬間―― 「あ、これ“ムーヴ”じゃなくて新しい生活だな」と思った。スペック表を見てるだけじゃ絶対に気づけない。乗り込んで、走って、止まって、ドアを閉める。その一つひとつが“軽く”なっている。身体の動きがラクになって、運転してて気持ちがいい。そう、進化の本丸は「日常の楽さ」だったんだ。

■ ドアを開けた瞬間、まず“違う空気”が流れ込む

新型の全高は＋25mmアップ。数字で聞くと小さいけれど、実際は“別世界”。旧型では少し屈んで頭をかわして乗り込んでいたけど、新型ではスッと腰を滑らせるだけ。 雨の日に傘を差したままでも、自然に乗れる。この「頭を下げなくていい」というだけで、一日の疲れが全然違う。駐車場でドアを閉めた瞬間、思わずニヤリとした。 “俺、ムーヴの新しい時代に来たな”って。

試しに旧型の助手席に戻ってみたら、違いは一瞬でわかる。天井が近い。視界が狭い。ステップがちょっと高い。もうそれだけで「前のムーヴは“頑張って乗る”車だったんだな」と実感した。新型は、乗る動作すら自然体。 毎日何十回も繰り返す“乗り降り”が、ここまで快感になるとは。

■ 駐車・バック・取り回し：もう“気を使わない”

スーパーの駐車場。旧型ムーヴでは、バックモニターの映像が少し荒くて、夜なんかは「ん？これ壁か影か？」と迷うことがあった。新型はそのストレスがゼロ。カメラの画質が段違いに良く、 ハンドルを切るとガイドラインがリアルタイムで動く。 これ、慣れると手放せない。車庫入れのたびに「うわ、俺うまくなった？」って思える。それぐらい自然で的確。

小回りもさらに効く。旧型4.4m→新型4.3m。数字は小さくても、体感はまるで別モノ。住宅街のすれ違いでサッと切り返せるし、コンビニ駐車場でも狙った位置にピタッと止まる。ステアリングの軽さと反応の速さが絶妙で、 “気を使わずに正確に操れる”この感覚は、もはや小型車クラス。

■ 乗り心地：段差を越えるたびに「お、良くなったな」と笑える

路地の段差を越えた瞬間、旧型との違いがハッキリ出た。コツン、と弾かれるような硬さが消えて、 “トン”とやわらかく着地する。 まるで足まわりが一段階しなやかになったような印象。走っていると、車体の“落ち着き”が感じられる。車がバタつかない。ステアリングを握ったまま、思わず「おお…」と声が出る。軽なのに、ちゃんと「足で走ってる」感覚がある。

特にリアシート。旧型では段差で“ポン”と跳ねることが多かったが、新型は大人二人が乗っても安定。取材で家族を乗せたとき、子どもが走行中にすやすや寝ていた。「この揺れなら寝られる」――それこそ、サスペンションの正解だと思う。家族の快適＝ドライバーの安心。新型ムーヴは、そのバランスが完璧に取れている。

■ 操作・視界・静粛性：運転すること自体が“ご褒美”になる

新型の運転席に座ってまず感じたのは、「視界が広い！」という開放感。ダッシュボードが少し低くなり、ピラーが細い。交差点で右左折しても視界が途切れない。旧型では“首を動かして確認”していたところを、いまはほとんど動かさずに見渡せる。こういう細かい改善が、毎日の運転の疲労を減らしてくれる。

高速道路では、さらに驚かされる。 80km/hでも静か。風切り音がしっかり抑えられていて、エンジン回転数も2,000rpm台前半で安定。妻と普通の声で会話できる。「え、いまそんなスピード出てるの？」と驚かれたぐらい。これ、旧型ユーザーなら鳥肌立つと思う。走りながら僕はハンドルを握り直して思った。 “ムーヴ、ここまで静かになったのか。”

■ 旧型ユーザーに伝えたい「乗り換え後のリアル」

結論から言う。新型ムーヴの進化は、数字よりも日常の疲れが減ることにある。乗る・降りる・走る・停める――その全部がスムーズで自然。通勤がラクになり、駐車でヒヤッとする瞬間も減る。そして、どんな場面でも“余裕”を感じる。旧型では「頑張って運転してる」感じがあったが、新型は「任せて乗ってる」感覚。 ムーヴが自分のテンポに合わせてくれる。

「進化はスペックじゃない。“暮らしの呼吸”が変わることだ。」

新型ムーヴに乗り換えたあと、旧型を運転した瞬間にわかる。ステアリングの軽さ、ブレーキの踏み応え、加速の立ち上がり、視界の広さ――全部が一段上。 もう、前のムーヴには戻れない。 それくらい差がある。 11年分の熟成が、ちゃんと「日常」で効いてくる。 ムーヴは、移動のための車から、“暮らしを整える相棒”になった。 それが今回のフルモデルチェンジの核心だ。

ライバル比較：タント／スペーシア／ハスラーの中での立ち位置

試乗のあと、ディーラーの駐車場に3台並べて眺めてた。タント、スペーシア、ハスラー――そして新型ムーヴ。その瞬間、思わず口から出た。 「ああ、ムーヴ、帰ってきたな」って。そう、背の高さで勝負するわけでも、奇抜なデザインでもない。けど、一度乗るとわかる。バランスの取り方が抜群にうまい。今回は、同じ日に3台全部を試した“リアル体験”として、ムーヴの立ち位置を本音で語らせてほしい。

■ タントとの違い：天井よりも“腰の高さ”で差がつく

まず、兄貴分のタント。スライドドアの開閉音、あれ気持ちいいんだよね。家族で使うなら最強。だけど、運転席に座った瞬間に感じた。 「あ、ちょっと重いな」と。ステアリングを切ったときのレスポンスがワンテンポ遅い。重厚感はあるけど、“軽快”とは違う。

一方、ムーヴに乗り換えると――もう、笑っちゃう。ステアリングを少し動かしただけで、車がスッと身体に寄り添ってくる。まるで「やっと俺の手の中に戻ってきた」感覚。目線も高すぎず低すぎず、腰の位置が絶妙。信号待ちのたびに「これだよ、これ！」って言いたくなる。 ムーヴは、日常の“運転の楽しさ”を忘れてない。

項目	ムーヴ	タント
乗り降りのしやすさ	◎（頭を下げず乗れる）	◎（スライドドアで広い）
走りの軽快感	◎◎	○（やや重い）
価格	約140〜180万円	約160〜200万円

■ スペーシアとの違い：静粛性と“質感の方向性”

次にスペーシア。内装デザインのセンス、あれは本当にうまい。明るくて、優しい雰囲気。助手席に座った妻が言った。 「なんか、かわいい部屋みたい」って。でも、運転席に座って走り出すと、印象が変わる。いい意味で“穏やか”だけど、ハンドル操作に対する反応がちょっとゆるい。車全体がフワッとしていて、「走る楽しさ」より「癒し」寄りだ。

ムーヴは違う。ハンドルを切ると、ピタッと車体がついてくる。加速も素直で、ブレーキの踏み始めが絶妙に自然。高速でもフラフラしないし、風切り音も静か。まるで、“小さなプレミアムカー”みたいな安定感。同じ静かでも、スペーシアは「癒しの静けさ」。ムーヴは「運転に集中できる静けさ」。そこが決定的に違う。

■ ハスラーとの違い：見た目は冒険、ムーヴは“日常を走る喜び”

最後はハスラー。この車、見るだけでワクワクするよね。ツートンルーフ、カラーパネル、SUV顔。実際、ちょっとした林道を走るとテンション爆上がり。サスペンションがしっかりしてて、砂利道でも安定感がある。

でも、街乗りに戻ると印象がガラッと変わる。足まわりがやや硬くて、段差でドンッと伝わる。一方でムーヴは、街の段差を“スッ”と吸収してくれる。信号で止まるたびに静かで、加速は軽く、ハンドル操作も気持ちいい。 “遊び”じゃなく、“生活の一部”。だけど、その日常がちょっと楽しくなる。 ムーヴは「毎日乗りたい」クルマ。 そう思わせる自然さがある。

■ ムーヴが“真ん中”にいる理由

3台を続けて乗って、本当に感じた。 ムーヴって、軽のど真ん中なんだ。 タントの広さ、スペーシアの優しさ、ハスラーの元気さ―― その全部の“いいとこ”を、自然にまとめてる。特別感より「しっくり感」。それが、ムーヴの一番の武器。

エンジンをかけて、街を流して、信号で止まって、ふと外を見たとき。自分の生活の中にスッと溶け込む。 “派手じゃないのに、満足できる”。 この感覚がクセになる。運転を終えて車を降りるとき、「あ〜今日も気持ちよかったな」って自然に言葉が出る。それって実は、すごいことなんだと思う。

「ムーヴは、“ちょうどいい”を極めた。それは、他の誰でもなく“自分の毎日”に合わせてくれる車だ。」

FAQ（桐生直哉が友人からよく聞かれる質問に答える）

試乗から戻ると、だいたい誰かに聞かれるんだよね。「桐生さん、ムーヴって結局どうなの？」とか、「RSとXどっち買えばいい？」とか。なので今回は、最近よく友人や同業のクルマ仲間から聞かれた質問に、ぜんぶまとめて本音で答える。できるだけリアルに、現場の声も交えていこう。

Q1：「燃費って、実際どう？カタログほど走る？」

これは一番聞かれる（笑）。正直、街乗りメインなら20km/L前後が現実的。僕自身、試乗で3日間・市街地7割で走ったけど、トリップメーターで20.4km/Lを記録。エアコン常時ONでもこの数値は立派。高速メインだと22km/Lを超えることもあった。ちなみに、RS（ターボ）は平均18〜19km/Lくらい。 つまり「燃費でがっかり」は一切なし。 軽快に走らせてもエコ運転できるのがムーヴの良さだね。

Q2：「RSとX、どっちがいいと思う？」

これはもう、“何にワクワクしたいか”で決める。僕の周りだと、週末にドライブする人はRS、通勤や買い物メインの人はXを選ぶ傾向が多い。

RSはアクセル踏んだ瞬間に「おっ！」って笑っちゃう。ターボの伸びが気持ちよくて、高速の合流も余裕。でも、Xの自然吸気エンジンも驚くほどスムーズ。 NA特有の“頑張ってる感”がほとんどない。僕個人のおすすめはX＋コンフォートパック。装備の質も高いし、毎日使うリアリティで見てもバランスが完璧。 RSは、運転が趣味な人には最高の“ご褒美仕様”。

Q3：「タントと迷ってるんだけど、どう思う？」

これはね、“誰が主役か”で決めるのが正解。家族が主役 → タント。自分が主役 → ムーヴ。

僕の後輩がちょうどタントからムーヴに乗り換えたんだけど、 2日目にLINEで「運転するのがまた楽しくなった」って送ってきた。タントはスライドドアで便利だけど、走り出した瞬間に“重さ”を感じる。一方、ムーヴは軽やか。「自分で操ってる感」がある。通勤・買い物メインで、自分でよく運転するなら、間違いなくムーヴが楽しいよ。

Q4：「納期って今どう？すぐ乗れるの？」

今（2025年10月時点）は、だいたい2〜3か月待ちが平均。でも、RSターボと2トーンカラーはちょっと長めで3〜4か月待ちになることもある。取材で聞いた販売店のスタッフ曰く、 「白と黒は早いけど、ベージュと2トーンは人気すぎてラインが埋まってる」とのこと。ただ、タイミングが合えば即納もあるから、早めの商談が吉。 「迷ってるうちに納期が延びる」のがクルマあるある（笑）。

Q5：「安全装備ってどのくらい頼りになるの？」

新型ムーヴはスマートアシストVer.Ⅲを搭載。前方車両だけでなく、歩行者・自転車も検知してくれる。 ACC（追従クルコン）はめちゃくちゃスムーズで、実際に試乗中に渋滞にハマったとき、 「ブレーキ踏まなくていい軽って、めっちゃ楽！」って素で感動した。カメラの精度が上がってて、誤作動も減ってる。安全装備の進化って、地味だけど体感すると大きい。他社と比べても、ダイハツの制御は自然で優しい。 “ドライバーを支える軽”ってこういうことだと思う。

Q6：「桐生さん的に、どんな人にムーヴを勧めたい？」

これはハッキリ言える。 “運転が好きな人”と、 “運転が苦手だけど、ストレスなく乗りたい人”。この両方にハマるのがムーヴのすごいところ。

僕の中でムーヴは「肩の力を抜いて楽しめる車」。エンジンをかけた瞬間、静かで穏やか。でも、アクセルを踏み込むと「おっ」と思わせる。毎日の買い物も、週末のドライブも、自然と“いい気分”になる。 つまり、ムーヴは“日常をちょっと上質にしてくれる相棒”。

「結論？ムーヴは“特別な軽”じゃなく、“ちょうどいい幸せ”をくれる軽。」

もし今この記事を読んで「気になってきたな…」と思ったなら、それはもう試乗のタイミングだ。ドアを閉めた瞬間の“音”、アクセルを踏んだときの“軽さ”、そのどれもが「桐生が言ってたこれか！」って納得できるはず。クルマって、数字より感覚で選んだほうが幸せになれる。そしてムーヴは、その“感覚”をきちんと裏切らない一台だ。