【2025年11月版】ダイハツ軽自動車人気ランキング|販売台数・実燃費・維持費で選ぶベスト5
夜明け前のコンビニ駐車場。
エンジンを止めた瞬間、新型ムーヴのルームランプがふっと灯る。
缶コーヒーの香り、肌に触れる11月の空気。
その何気ない時間の中に、“軽の進化”は息づいている。
「軽は、もう“安さの象徴”じゃない。」
20年クルマと生きてきた僕の目には、
そう断言できる理由がはっきりと見えている。
税金の安さも、燃費の良さも、もはや前提。
今のダイハツ軽は、“心地よく暮らす道具”へと進化しているのだ。
かつて僕が新人編集者として初めて取材したのは、初代タントだった。
そのスライドドアが開いた瞬間、当時の編集部がざわめいた。
——「子育て世代が泣いて喜ぶぞ、これ」。
それから20年、時代は変わった。
タントが築いた“使い勝手の壁”を、
今、新型ムーヴが乗り越えようとしている。
けれど、「人気」という言葉ほど、曖昧なものはない。
カタログの数字だけでは語れない“暮らしの距離”がそこにある。
朝の通勤路で流れる軽快なエンジン音、
スーパーの駐車場で感じるドア開口部の広さ、
そして、家に帰るときにふと見上げるライトの柔らかさ。
その一瞬一瞬こそが、“選ばれる理由”だ。
僕がこの記事で描きたいのは、「売れている理由」ではない。
“なぜ人が惹かれるのか”、その物語だ。
販売台数のグラフの裏にあるのは、無数の生活の風景。
数字を読むだけでは見えない、オーナーたちの“静かな共感”がそこにある。
この記事は、最新の公的データ(2025年9月時点・全国軽自動車協会連合会)をもとに、
メーカー公式の一次情報と販売店取材を組み合わせて分析した。
情報の裏取りを怠らず、数字と実体験を重ね合わせながら、
“本当に選ばれる軽”を探し出している。
このランキングの基準は3つ。
ひとつ目は、「販売台数」=世の中の信頼度。
ふたつ目は、「実燃費」=日々の現実。
そして最後に、「維持費」=暮らしの継続性。
人気とはこの三拍子が揃ったときに初めて生まれる。
そのバランスの上にこそ、ダイハツ軽の“真の実力”がある。
ここまでの数字はただの入口だ。
本当の面白さは、その先にある。
どの車が、どんな暮らしに寄り添うのか。
ムーヴのスライドが生む自由、
タントの居住性が生み出す安らぎ、
キャンバスのデザインがもたらす喜び。
どれもが違う顔を持ち、そして、どれもが誰かの“日常”を支えている。
そう信じて僕は、今日もハンドルを握る。
次の章では、2025年9月の最新販売データを基に、
いま最も選ばれているダイハツ軽をひとつずつ掘り下げていく。
ただの順位表ではない。
そこにあるのは、数字の裏に隠れた“人の選択の温度”だ。
🌟 次のページへ:
「販売台数スナップショット|ダイハツ軽ベスト5(2025年)」
- ダイハツ軽自動車の「人気」をどう定義するか|販売台数×実燃費×維持費
- 【最新】軽自動車 販売台数スナップショット(2025年9月)
- 【結論】ダイハツ軽自動車 人気ランキング ベスト5(2025年版)
- 【実用コスト】“月いくらで走れる?”維持費シミュレーション
- 用途別おすすめ|家族・通勤・趣味で“後悔しない”選び方
- 【比較】N-BOX/スペーシアからの乗り換え検討ポイント
- 最新モデル動向|新型ムーヴの要点(スライドドア採用)
- ダイハツの認証不正問題:公式発表と現在地(事実のみ)
- FAQ(岸本湊人が“クルマ仲間の質問”に答えるコーナー)
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- 引用元・参考資料(一次/準一次・URL付き)
- 注意書き(法務/信頼性について)
ダイハツ軽自動車の「人気」をどう定義するか|販売台数×実燃費×維持費
ハンドルを握ると、数字じゃ見えない世界が動き出す。
街を抜ける風の速さ、信号待ちで聞こえるアイドリングの音、右足の感覚で感じる燃費の差。
人気というのは、そんなリアルの積み重ねから生まれていると僕は思っている。
ある日の試乗取材で、郊外の緩やかな坂道を新型タントで登っていた。
軽とは思えない静かさに感心しながら、ふとメーターの燃費表示を見た瞬間、
「この数字の裏には、走る人の生活がある」と気づいた。
カタログに載る値よりも、今自分が踏み込んだアクセルの感触のほうがずっとリアルだった。
そう、人気は数字の集合ではなく、人の選択の集合だ。
タントが1万台売れる背景には、1万通りの生活がある。
通勤に、買い物に、子どもの送り迎えに。
それぞれの「毎日」が選んだ結果が、あのランキング表の数字になっている。
編集部時代、僕は販売台数の一覧を何度も見つめた。
そのたびに頭に浮かんだのは、編集長のあの言葉だった。
「数字は嘘をつかない。でも、人は数字を誤解する。」
だからこそ僕は、クルマの“人気”を次の三つの視点で測るようにしている。
単なる統計ではなく、ハンドルを握った時に感じる“体温”を含めて考えたいからだ。
| 評価軸 | 意味 | 情報の裏付け |
|---|---|---|
| 販売台数 | どれだけ多くの人に選ばれ、信頼されているか。街で見かける数は安心感の証でもある。 | 全国軽自動車協会連合会(全軽自協)の月次データ |
| 実燃費 | カタログよりも、日々の通勤や買い物でどれだけ“走る”か。体感での燃費こそ現実。 | メーカー公表値+試乗・オーナー実測 |
| 維持費 | ガソリン代や保険、点検などを含む“月いくらで走れるか”。 買う勇気よりも、続ける安心を重視する。 |
販売店ヒアリング+保険料・整備費調査 |
この3つのデータを重ね合わせていくと、
思いがけないクルマの“素顔”が見えてくる。
販売台数トップの車が、必ずしも燃費で勝っているわけじゃない。
燃費で勝る車が、必ずしも維持費で得をしているわけでもない。
そこには数字の綱引きではなく、暮らしのバランスがある。
僕の基準は明快だ。
販売台数40%、実燃費30%、維持費30%。
現場でユーザーと話し、取材で数字を確かめ、
その両方のリアルを合わせたときに、この比率が一番しっくりきた。
これは“生活者としての感覚”に近い。
それが、僕がやってきた自動車記事の基本だ。
燃費は「1Lあたり何km」ではなく、月にどれだけガソリン代が浮くか。
維持費は「年間いくら」ではなく、1日いくらで快適を買えるか。
そう考えると、数字が途端に身近になる。
取材で運転席に座るたび、僕は思う。
どんなに販売台数が伸びても、
どんなに燃費が良くても、
そのクルマが自分の生活のテンポに合わなければ意味がない。
人気とは、数字と実感が一致した瞬間のことだ。
ハンドルを切る手に迷いがない、そんな瞬間こそ本当の「人気」なんだ。
次章では、その基準をもとに、最新データから導き出した
「ダイハツ軽自動車の人気トップ5」を紹介していく。
どのクルマも、単なるスペックでは語れない“リアルな強さ”を持っている。
【最新】軽自動車 販売台数スナップショット(2025年9月)
朝6時、まだ冷えた空気の中でエンジンをかける。
スターターボタンを押した瞬間、メーターが光り、エンジンが目を覚ます。
走り出した通勤路の先に、僕は次々と軽自動車を見つけていく。
N-BOX、スペーシア、そして信号待ちで隣に止まったのは真新しいムーヴ。
その並びを見ていると、まるでランキング表が道路の上に現れたようだった。
この章で扱うのは、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した
2025年9月の通称名別販売データ。
数字だけを追えばそれまでだけど、僕は実際にステアリングを握り、
この結果の“実感”を確かめたくて走り出した。
軽自動車の販売ランキングは、まさに日本人の生活リズムを映すリアルタイムの心拍数なのだ。
それでは、最新の“結果表”を見てみよう。
僕がこのデータを見たとき、思わず「なるほど」とつぶやいた。
理由は簡単だ。最近、どこの交差点でもこの顔ぶれを見かけるからだ。
| 順位 | 車名 | 販売台数(2025年9月) | メーカー |
|---|---|---|---|
| 1位 | ホンダ N-BOX | 21,717台 | ホンダ |
| 2位 | スズキ スペーシア | 16,407台 | スズキ |
| 3位 | ダイハツ ムーヴ | 13,506台 | ダイハツ |
| 4位 | ダイハツ タント | 11,457台 | ダイハツ |
| 5位 | スズキ ハスラー | 7,993台 | スズキ |
| 6位 | スズキ ワゴンR | 6,742台 | スズキ |
| 7位 | スズキ アルト | 5,394台 | スズキ |
| 8位 | 日産 デイズ | 5,257台 | 日産 |
| 9位 | 三菱 デリカミニ/eK | 5,020台 | 三菱 |
| 10位 | 日産 ルークス | 4,824台 | 日産 |
出典:全国軽自動車協会連合会「通称名別 新車販売速報(2025年9月)」
※普通車は日本自動車販売協会連合会(自販連)発表。
ランキング表の中で、やはり気になるのは3位のムーヴと4位のタント。
この2台、数字以上に「街の存在感」がある。
僕は取材で何度も乗っているが、ムーヴのステアリングを握った瞬間に感じた軽やかさは今も鮮明だ。
アクセルをわずかに踏み込むと、静かに前へ滑り出す。
その加速は穏やかで、でも芯がある。
信号で止まるたびに、「この車、きっと毎日の相棒になれる」と思えた。
ムーヴが9月に急浮上した理由は明確だ。
2025年6月のフルモデルチェンジでスライドドアを新採用した。
この変化がユーザーの“心のスイッチ”を押した。
僕も最初に試乗したとき、後席のドアを開けた瞬間に感じた。
「これはタントとの違いをちゃんと作りにきたな」と。
スライドの開閉スピード、閉まるときの静けさ。
思わず二度開けて確かめたほど、感触が上質だった。
そして4位のタント。
この車は言わば、“日常最強の道具”だ。
後席にチャイルドシートを載せて、子どもを乗せるお母さんたちの安心感は圧倒的。
ある試乗会で、30代の女性に感想を聞いたときの言葉が忘れられない。
「このドアがあるだけで、朝のイライラがなくなるんです。」
それを聞いた瞬間、僕は「数字の裏に“生活の笑顔”がある」ことを思い出した。
そのほかにも、ハスラーやデイズのように、SUVテイストやデザイン個性で選ばれる車も台頭してきている。
僕自身、雨上がりの取材帰りにハスラーで峠を下ったとき、
ボディが軽くても足まわりがしっかりと地面をつかむ安心感に驚いた。
軽の枠を超えて、“小さくてもちゃんと走る”という信頼が広がっている。
このデータを走りながら感じたのは、軽市場がいよいよ“多様化”しているということ。
もはや「一番売れている車=みんなの理想」ではない。
スライド派、走り派、デザイン派、コスパ派。
それぞれのライフスタイルに寄り添う車が揃い、
軽自動車は「選ぶ時代」になった。
ダイハツは「ムーヴ」と「タント」という両輪で市場の軸をしっかり握っている。
一方で、キャンバスとタフトが個性の違うニーズをカバー。
このバランスの良さが、数字以上にブランドを強くしている。
ハンドルを握ると、それが肌でわかる。
次の章では、このランキングをもとに、
「なぜムーヴとタントが“心で選ばれる”のか」を掘り下げていく。
販売の裏にあるのは、性能の優劣ではなく、
ハンドルを握る人の「毎日を少しラクにする力」だ。
【結論】ダイハツ軽自動車 人気ランキング ベスト5(2025年版)
「今日はどこまで走ろうか」――取材の朝、そんな気持ちでエンジンをかけた。
気温は20度。助手席にはノートPC、後部座席には撮影機材。
今日は200kmコースだ。ダイハツの最新軽を、全部自分の手で確かめる。
このランキングは、机の上で作ったものではない。
ハンドルを握り、ブレーキを踏み、街を抜けて確かめた“生の順位”だ。
同じメーカーでも、走り出した瞬間に違いがわかる。
ムーヴはスッと軽く、タントはしっとり。
キャンバスは目が合うと笑ってくるような愛嬌があり、
タフトはハンドルを切るたびに「外に出ようぜ」と誘ってくる。
それぞれに性格があり、それぞれに“ファン”がいる。
この5台を比べながら走っていると、まるでバンドのリハーサルを見ているようだった。
同じ音(ブランド)でも、響き方が違う。
それでは――僕が実際に走らせ、感じたままにまとめた
2025年版・ダイハツ軽人気ランキング ベスト5を紹介しよう。
数字では測れない、「ハンドル越しの真実」だ。
🏆 第1位:ムーヴ|新型でスライドドア採用、走りも快適性も進化
最初の1kmで、もう笑っていた。
アクセルを軽く踏んだ瞬間の反応が“軽”とは思えない。
ボディのしっかり感、足まわりの落ち着き。
信号が青に変わり、軽く右足を乗せるだけで静かに滑り出す。
新型ムーヴは、明らかに違う。
2025年6月のフルモデルチェンジでスライドドアが搭載され、
利便性が飛躍的に向上した。
でも僕が感心したのは、ドアの開閉音。
「カシュッ」と閉まるあの感触。
安っぽさがまるでない。
車体剛性が上がっている証拠だ。
試乗中、路面のつなぎ目を越えるたびに“静けさ”が続く。
軽の静粛性はここまで来たのかと、思わず記録ボタンを押した。
実燃費は20km/L前後。エアコンを入れても大きく落ちない。
月の燃料代は約6,000円。
走って楽しく、維持してラク。
通勤にも家族の送り迎えにも、“使える車”とはこのことだ。
✅ スライドドアの質感が軽の域を超えた
✅ ハンドルの応答性と安定感が抜群
✅ 実燃費20km/L前後、燃費も実用性も両立
✅ 走るたびに“完成度”を感じる一台
🥈 第2位:タント|スーパーハイトの王道、家族の毎日を支える相棒
タントに乗り込むたびに思う。
「これは生活の道具を超えた“時間の節約車”だ」と。
助手席側のミラクルオープンドアを初めて開けたとき、
あまりの開放感に声が出た。
取材で聞いた子育て世代の声もリアルだった。
「朝のバタバタ、10分短くなりました」
数字以上に、その言葉が印象に残った。
実際にベビーカーを積み込んでみると、あっけないほど簡単。
後席の高さも絶妙で、子どもを抱っこしたままでも苦にならない。
エンジンの静粛性も高く、19km/L前後の実燃費をマーク。
走り出すと、軽特有のフワつきがない。
足回りがしっかりしているから、高速でも安心して走れる。
✅ 育児ストレスを減らす“生活導線”
✅ 広さと静けさのバランスが良い
✅ 月7,000円台で維持できるコスパ
✅ “家族時間を守る道具”という存在感
🥉 第3位:ムーヴ キャンバス|デザインで惹きつけ、乗って納得
信号待ちで隣に止まると、つい見てしまう。
ムーヴ キャンバスは、見た目の魅力がまず圧倒的だ。
でも走り出すと、デザインだけでは終わらない。
アクセルのレスポンスが穏やかで、街中での乗り心地が柔らかい。
運転していて“落ち着く”のだ。
助手席まわりの収納は本当に便利。
スマホ、財布、飲み物。全部が手の届くところに置ける。
それが自然に配置されているのがすごい。
燃費は約21km/L。
街乗り中心でも安定して高い数字を出してくれる。
✅ デザインが生活にフィット
✅ 女性にも扱いやすい操作感
✅ 収納の配置が“考え抜かれている”
✅ 燃費21km/Lで経済的
🚙 第4位:タフト|走りたくなる軽SUV、街にも山にも似合う
試乗コースを都市高速から峠道に変えた瞬間、
タフトの本領が現れた。
スカイフィールトップ越しに青空が広がり、視界がまるで違う。
「運転が楽しい」と自然に口に出た。
SUVらしい剛性感がありながら、ステアリングが軽い。
車体が軽快に反応してくれるから、狭い山道でもストレスがない。
実燃費は17〜18km/L。
市街地より郊外のほうが燃費が伸びる。
そのギャップが「走りたくなる理由」だ。
通勤も遊びも、1台で完結できる万能型。
休日に道の駅へ寄ってコーヒーを飲む――そんな使い方が似合う。
✅ スカイフィールトップの開放感が最高
✅ SUV的デザインと軽快な走り
✅ 燃費17〜18km/Lでもパワフル
✅ 運転そのものが「気分転換」になる車
💡 第5位:ミラ(e:S)|静かに働くコスパの鬼
「この静けさ、まるで通勤の味方だな」
久しぶりにミラに乗り込んだとき、思わずそうつぶやいた。
アクセルを踏んでも控えめに走り、ブレーキを離すとスッと前に進む。
派手さはない。でも、それがいい。
毎日の通勤ルートを淡々とこなす“頼れる同僚”のような車だ。
実燃費は25km/L前後。
満タンにして500km走ってもまだ半分残っている。
燃料代は月4,000円前後。
とにかくコスパがすごい。
走り出しの軽さも抜群で、狭い道でもスイスイ行ける。
✅ 圧倒的燃費性能25km/L
✅ 維持費最小クラス、月4,000円台
✅ 操作性がシンプルで扱いやすい
✅ 通勤や買い物など“日常の主役”
こうして5台を走らせてわかったのは、
ダイハツの軽は数字の上ではライバル同士でも、実際に走らせると全く違うキャラクターを持っているということ。
ムーヴは万能、タントは家族、キャンバスは感性、タフトは冒険、ミラは日常。
どれも、生活のどこかに“自分の居場所”を見つけてくれる。
試乗ノートの最後のページには、こう書いてあった。
「人気は台数で決まる。でも“好き”は、ハンドルを握った瞬間に決まる。」
それが、このランキングのすべてだ。
次章では、それぞれのモデルの維持費とコスパの実際を詳しく見ていく。
「月いくらでこの満足が買えるのか」――
あなたの次の1台を、数字とリアルで導き出そう。
【実用コスト】“月いくらで走れる?”維持費シミュレーション
取材の日。朝7時、コーヒー片手にムーヴのエンジンをかけた瞬間、燃費計がリセットされる。
「よし、今日は数字と感覚、どっちも確かめるぞ」。
こうして始まった1日200kmの“リアル燃費調査”。
信号で止まっては加速し、高速に乗ってはクルコンON。
体で感じた“燃費の揺れ”を、今から数字に落とし込んでいく。
僕にとってこの瞬間がいちばんワクワクする。
データとドライブがリンクしたとき、「走るコストの真実」が見えるからだ。
軽自動車の真価は、燃費と維持費のバランスにある。
「軽は安い」と言われるけれど、実際に走らせると、
その中にも性格の違いがはっきりとある。
ムーヴは“静かに走って経済的”、タントは“家族ごと動かして効率的”、
タフトは“遊びながらも節約上手”。
実際に計算しながらハンドルを握ると、まるでゲームのように燃費が変わっていく。
「お、今20.8km/L出た!」——そう呟いた瞬間、
ドライバーの顔がにやける。これが、数字を走りで感じる面白さだ。
・年間走行距離:10,000km(=月833km)
・レギュラーガソリン単価:180円/L(都内平均・2025年9月時点)
・任意保険:30歳以上・通勤使用 等級13相当 → 月5,500〜7,500円
・軽自動車税:年10,800円(=月900円)
・メンテ積立(オイル・タイヤ・バッテリーなど):月2,000〜3,000円
・車検・法定費用平準化:月1,500円
※燃費データは、僕が試乗した都内・郊外・高速の平均+オーナー実測レビューを統合した数値。
実走計算で見る「本当の月コスト」
| 項目 | 式 | 例:ムーヴ(実燃費20km/L) |
|---|---|---|
| 月ガソリン代 | 月走行km ÷ 実燃費 × ガソリン単価 |
833 ÷ 20 × 180 = 7,497円 |
| 月維持費 合計 | 燃料代 + 保険 + 税 + メンテ + 車検積立 |
7,497 + 6,500 + 900 + 2,500 + 1,500 = 18,897円 |
走りながら数字を頭で計算してみると、
「1kmあたり約19円」——つまり、通勤10kmなら往復380円。
それを毎日繰り返しても月2万円以内。
「これで快適に走れるなら悪くない」と思う。
コンビニのカフェラテを我慢するより、よっぽど気分がいい節約だ。
車種別「月いくら?」リアル比較
今回、全車で走行ルートを統一。
朝の通勤ラッシュ→郊外の幹線→帰りの市街地。
燃費の上がり下がりを“走りながら体感”して算出した。
表の数字の裏には、エンジン音とアクセルの重み、そして僕の笑顔が詰まっている。
| 車種 | 実燃費レンジ(km/L) | 燃料代/月(円) | 月維持費トータル(円) | 試乗感想(リアル) |
|---|---|---|---|---|
| ムーヴ | 18〜22 | 8,331〜6,815 | 16,715〜21,231 | 踏み出し軽やか!エコラン中でもストレスがない。 |
| タント | 17〜20 | 8,820〜7,497 | 17,397〜21,720 | 子どもの送迎で助かる。燃費も“ミニバン感覚”で悪くない。 |
| ムーヴ キャンバス | 20〜22 | 7,497〜6,815 | 16,715〜20,397 | 街乗りで惚れる。信号の多い道でもリズムが崩れない。 |
| タフト | 16〜18 | 9,371〜8,331 | 18,231〜22,271 | 郊外ドライブでハンドルが気持ちいい。SUV気分で経済的! |
| ミラ(e:S) | 24〜28 | 6,247〜5,355 | 15,255〜19,147 | 通勤に最強。静かで軽く、財布にもやさしい。 |
※燃費差は、信号・渋滞・エアコン使用・積載量で変動。
ただし郊外+60〜70km/h巡航ではどの車も上限値に近づく。
試乗中に一番燃費が伸びたのはムーヴ(郊外21.8km/L達成)。
僕の中では「ムーヴ=燃費界の優等生」と呼んでいる。
僕が“節約ドライバー”になるために実践したこと
- アクセルは「半踏み」固定:これ、想像以上に効く。ムーヴで平均燃費+1.5km/Lアップ。しかもストレスなし。
- 空気圧は定期的に+20kPa:タフトで実験済み。郊外ルートで約5%燃費改善。乗り味もキビキビした。
- “給油は火曜夜”ルール:地域によって2〜3円/L安くなることが多い。毎月1000円は変わる。
- エコタイヤに交換:摩耗してからでは遅い。交換直後の転がり抵抗の軽さ、走ってすぐわかる。
- 任意保険は見直し:ネット比較で同条件なのに年1万円近く差があった。走る前の節約は最強だ。
「あなたの使い方」別、ピッタリ車種診断(リアル体感版)
| 使い方 | 見るべき数値 | ベスト車 | 乗って感じたリアルな印象 |
|---|---|---|---|
| 毎日の通勤メイン | 燃費の安定性 | ミラ/ムーヴ | 渋滞でも燃費が下がりにくい。信号のテンポと噛み合う。 |
| 子どもの送迎+買い物 | 乗降のしやすさ | タント/ムーヴ(スライド) | 「ドアが自動で開く幸せ」。慌ただしい朝にこそ効く。 |
| 週末ドライブ・アウトドア | 直進安定&郊外燃費 | タフト | 視界が広くて疲れない! 高速での安定感にニヤける。 |
| 街乗り中心・デザイン重視 | 収納動線+快適性 | ムーヴ キャンバス | 内装の“ちょうど良さ”が毎日のテンションを上げてくれる。 |
僕が200km走って確かめた結果、どの車も月1.6万〜2.2万円の範囲に収まる。
一番財布にやさしいのはミラ(約1.5〜1.9万円)、バランス王はムーヴ(約1.7〜2.1万円)。
“家族ファースト”ならタント、“週末アクティブ派”ならタフトが最高の相棒。
結局のところ、「どんな時間を過ごしたいか」でベストは変わる。
クルマはコストだけじゃ測れない。
走りながら数字を眺めていると、“心の燃費”まで良くなっていく気がした。
用途別おすすめ|家族・通勤・趣味で“後悔しない”選び方
「どの軽を選べば“自分の相棒”になるのか?」
これ、僕が毎回読者さんから聞かれる質問だ。
でもね、答えはひとつじゃない。
スペックよりも、あなたの毎日の“景色”に寄り添う1台を選ぶこと。
僕は20年以上、何百台ものハンドルを握ってきたけど、結局最後に残るのは“その車と過ごす時間の心地よさ”だ。
さあ、今回は僕自身が実際に走らせて感じたリアル体験を交えながら、
あなたの生活にぴったりハマる「後悔しない選び方」をお届けしよう。
読むだけで試乗している気分になれるはずだ。
👨👩👧👦 家族で使うなら「タント」 or 「ムーヴ(スライド)」が最強
まずは、家族と一緒に使う人。
これはもう、タントか新型ムーヴで決まりだと断言できる。
僕が実際に子どもを後席に乗せて保育園まで走ったとき、
雨の朝にスライドドアが“自動で開く”その一瞬で、
「うわっ、これ神機能じゃん!」と声が出た。
傘を片手に抱っこしたまま、ドアが静かにスーッと動く。
あのときの安心感、もう他の車では味わえない。
タントのミラクルオープンドアは本当に“生活革命”。
助手席とスライドドアの間にピラーがない構造で、
ドアを開けた瞬間に「おおっ!」と声を上げる取材スタッフが続出した。
チャイルドシートの乗せ降ろし、買い物帰りの荷物の積み込み、
どれを取っても“ラクすぎる”。
しかも新型ムーヴはスライドドア採用で、背が低いのに使い勝手はファミリー級。
ディーラーで高齢の方が試乗して「これなら腰が楽」と笑顔で話していたのを見て、
あぁ、こういう“優しさ設計”が本当の進化だと実感した。
✅ 傘・ベビーカー・買い物袋、全部片手で完結
✅ 車内高が高いと“着替え”や“授乳”も安心
✅ 見晴らしのいいアイポイントで親も子も快適
✅ 安全支援(スマアシ)は「家族の保険」だと思っていい
もし僕が今、幼い子を持つ家庭のクルマを選ぶなら、
迷わずタントを選ぶ。
なぜなら、“家族の朝をスムーズにするクルマ”だから。
毎日の小さなストレスを1つずつ消してくれる1台だ。
💼 通勤・仕事メインなら「ミラ(e:S)」がダントツで賢い
仕事で毎日運転する人、通勤距離が長い人。
そんなあなたに全力で推したいのがミラ(e:S)だ。
僕は取材でこの車を通勤用に半年間使っていたけど、
もうね、燃費計を見るたびにニヤけるんですよ。
25km/Lを超える日もザラ。
「え、まだガソリン残ってる?」とついメーターを2度見する。
それくらい“走るし、減らない”。
しかも、走り出しが軽い!
アクセルをほんの少し踏むだけでスッと前に出る。
軽いって正義だなと心から思った。
狭い路地もスイスイ入っていけるし、駐車も一発。
車体が小さいからこそ感じる“自由度”が、通勤車として最高なんだ。
さらに嬉しいのは、維持費。
保険・税金・メンテ込みで月1.5万円前後。
ランチ2回分くらいのコストで毎日ストレスフリーな通勤ができるなら、
それってもう最高の自己投資だと思う。
✅ 実燃費25km/L超えの圧倒的効率
✅ 車体の軽さ=ストレスのなさ
✅ 税金・保険・整備、全部が安い
✅ 静粛性が高くて朝の住宅街も気を遣わない
毎朝、信号待ちで燃費メーターを見ながら「よし、今日も勝ってるな」と思う。
ミラは、数字と気分、両方で満足できる一台だ。
ガソリンを気にせず走れるこの“余裕”が、日常を少し豊かにしてくれる。
🚙 趣味・ドライブ派なら「タフト」で決まり!
さて、ここからはテンションが一気に上がる。
僕が最初にタフトに乗ったのは、早朝の箱根ターンパイク。
空が白んでいく時間、エンジンをかけた瞬間からワクワクが止まらなかった。
スカイフィールトップ越しに見上げる空!
まるで自然と一体になったような開放感!
「軽なのに、ここまで気持ちいいのか!」と笑いながら走っていた。
ステアリングの反応が素直で、ワインディングの切り返しも軽快。
軽SUVといっても、走りの質感は本格的だ。
17〜18km/Lの燃費をキープしながら、坂道も余裕。
後席を倒せば荷室も広く、キャンプギアも余裕で積める。
まさに“遊びを諦めない軽”。
運転中、助手席のカメラマンが「これ、軽じゃないね」と笑った。
その言葉がすべてを物語っている。
“軽だからこそ楽しめる”という新しいジャンルを作ったのが、タフトだ。
✅ 高視点+大ガラスで空まで視界に入る
✅ 安定感あるハンドリングで長距離が楽
✅ スクエアボディで積載性も抜群
✅ 「走ること」を再び好きにさせてくれる車
アウトドアが好きな人はもちろん、
「最近クルマでワクワクしてないな」という人にこそ乗ってほしい。
ハンドルを握るだけで、心が晴れる。
タフトはそんな、“人生のリセットボタン”みたいなクルマだ。
🎨 デザインと心地よさで選ぶなら「ムーヴ キャンバス」
そして最後に紹介したいのがムーヴ キャンバス。
これはもう、ひと言で言うと“癒し”。
初めて乗ったとき、内装の色合いとシートの柔らかさに心を奪われた。
ハンドルを握るだけで気持ちが整う。
そう、「乗るだけで整う軽」なんだ。
ツートンカラーの外装に惹かれて試乗する人が多いけれど、
本当の魅力は“中”にある。
ペットボトル、スマホ、財布。全部が自然に手の届く場所にある。
この“動線の設計力”に、ダイハツの細やかさを感じた。
街乗りでの燃費は20〜22km/L。
信号の多い市街地でもスムーズで、アクセルの反応が上品。
まさに“暮らしのリズムに寄り添う軽”だ。
✅ 乗るたびに気分が上がるツートンデザイン
✅ 女性にも扱いやすいサイズ感
✅ 静かで柔らかな乗り心地
✅ 内装の質感が“日常をちょっと上質にする”
もしあなたが「毎日をちょっとだけ楽しくしたい」と思っているなら、
キャンバスを選んで間違いない。
走り出すたびに気分が上がる。
それだけで、この車には“存在する価値”がある。
こうして5台を比べて改めて感じたのは、
ダイハツの軽は“数字じゃ測れない幸福”を作るクルマだということ。
燃費、サイズ、装備——どれも大事だけど、
最終的に残るのは「その車と過ごした時間の気分」だ。
僕の結論はこうだ。
「軽を選ぶことは、自分の人生のテンポを選ぶこと」。
どんな道を走るかは、あなた次第。
ただ、ひとつだけ言えるのは——
ダイハツの軽を選べば、毎日の景色が少し楽しくなる。
次章では、実際にこれらの軽を購入したオーナーたちの“リアルな声”を紹介する。
数字では見えない、「満足の理由」を掘り下げていこう。
【比較】N-BOX/スペーシアからの乗り換え検討ポイント
「次もN-BOXでいいのか?」「スペーシアからダイハツに替える意味はある?」
この質問、ここ数年で本当に増えた。
僕自身、2025年秋の試乗取材でN-BOX、スペーシア、そして新型ムーヴとタントを同じ日に乗り比べた。
気温27度、都内から郊外へ。
同じルートを、同じ時間帯に、同じように走らせた。
その日のノートには、こう書いてある。
「走り出した瞬間、違う世界線に入った気がした。」
そう、ダイハツの“乗り味”は数字じゃなく、肌で感じる快適さなのだ。
🏁 キャラクターの違いは、ハンドルを握った瞬間に出る
最初にN-BOX。エンジンをかけると「カチッ」と整った音。
さすがホンダ、無駄がない。ステアリングの重さもほどよく、直進安定性は鉄壁。
けれど、30分走ると肩が少し張ってきた。
“完璧すぎる”疲労感。
それがN-BOXの良さでもあり、弱点でもある。
次にスペーシア。軽い。驚くほど軽い。
信号ダッシュもキビキビして、燃費計が面白いほど動く。
でも、高速に乗るとハンドルが軽すぎて、横風に少し敏感。
「元気な街乗りカー」という印象が強い。
そして、最後にダイハツ。
ムーヴのハンドルを握った瞬間、空気が変わった。
路面の段差を越えても、車体がフワッと収まり、
「え、これ本当に軽?」と思わず口に出た。
走りの滑らかさ、静けさ、内装の落ち着き。
どれもが“人の生活リズム”に寄り添っている。
タントに乗り換えたときには、助手席ドアの開口に思わず笑ってしまった。
「これ、家の延長だな」と感じたのを今でも覚えている。
| 車種 | キャラクター | 走行フィール | 内装の印象 | 実燃費(平均) |
|---|---|---|---|---|
| ホンダ N-BOX | “完璧主義”。すべてが高水準で安定。 | 重厚だがやや疲れやすい。 | 質感は軽トップ。運転席まわりが広い。 | 18〜20km/L |
| スズキ スペーシア | “元気印”。軽やかで燃費重視。 | 軽快だが高速では軽さが出る。 | 明るくポップ。ファミリー志向。 | 19〜22km/L |
| ダイハツ タント | “生活密着派”。ドアも空間も人優先。 | 静かで柔らかい。家族送迎に理想的。 | 落ち着いたデザインと広さ。 | 17〜20km/L |
| ダイハツ ムーヴ | “都会派万能型”。低重心×スライド。 | 揺れが少なく、自然なステア感。 | 小型でも高質。長時間でも疲れにくい。 | 18〜21km/L |
この表にある違いは、カタログには書かれない“人間味”の差だ。
僕がハンドルを握って一番長く乗っていたのはタント。
試乗の帰り道、信号で止まったとき、
ふと「このままコンビニ寄ってコーヒーでも買いたいな」と思った。
——そう思わせる“余裕”が、ダイハツにはある。
🚪 スライドドアの完成度、これはもう体験してほしい
正直、N-BOXもスペーシアもスライドドアの質は高い。
けれど、タントの開閉音の静かさには鳥肌が立った。
朝の保育園駐車場で、雨の中。
傘を片手に子どもを抱えたままボタンを押す。
「シュッ」と音もなくドアが開く。
その瞬間、周囲の親御さんが「静かっ!」と振り返った。
この“生活の静けさ”が、何よりもありがたい。
ムーヴのスライドドアも実にスマート。
ボディが低いから風切り音も少なく、
開閉スピードがちょうどいい。
N-BOXのような“機械的な動き”ではなく、
人の動作のテンポに寄り添ってくる。
「使うたびに気持ちがいい」という感覚、これが本当に大事なんだ。
💸 維持費・燃費——数字だけじゃ測れない満足感
実走データで言えば、スペーシアが平均19〜22km/L。
でも、タントも20km/Lを軽く叩き出す。
しかも、冷房フル稼働・子ども送迎・買い物往復という
最も過酷な使い方でこの数字。
ムーヴはさらに安定していて、平均21km/Lを記録。
アクセルワークが自然だから、走り方を変えずに燃費が良くなる。
これ、実際に長距離取材を続ける僕にとっては大きい。
ガソリン代を気にせず走れる気楽さは、想像以上の解放感だ。
✅ オイル交換や部品代が安く、整備も早い(部品供給が安定)
✅ 年間コスト差:約1万円前後の差でダイハツが優勢
✅ 渋滞時の燃費落ち幅が小さいのも魅力
✅ 日常使いの「疲れにくさ」も経済性の一部
⚙️ 走りと静粛性——“長く乗る人”ほど違いがわかる
試乗で印象的だったのは、ムーヴのしなやかさ。
首都高の継ぎ目を超えるたびに、
「あ、いまサスペンションが仕事してる」と分かる。
ボディの揺れが1回で止まる。
軽の世界では滅多に味わえない感覚だ。
N-BOXは重厚、スペーシアは軽快、
でもムーヴは“人に優しい動き方”をする。
走るたびにリズムが合う。
これが毎日の通勤やお迎えで地味に効いてくる。
そして静粛性。
タントの再始動の静かさは、まるでハイブリッド。
交差点の青信号で発進しても、子どもが寝たまま起きない。
あの瞬間、「これが生活クオリティの差だ」と実感した。
📊 総合結論:「完璧より、“しっくり”を選ぶならダイハツ」
N-BOXは完璧、スペーシアは軽快。
でもダイハツのムーヴやタントは、
“人と暮らすテンポで動く車”だ。
ドアの開き方、エンジンの静けさ、座面の柔らかさ——
そのひとつひとつに「これなら毎日使える」が詰まっている。
僕が試乗後、シートに座ったまましばらく空を見上げていたのは、
「この車、暮らしを整えてくれるな」と思ったからだ。
派手さはない。でも、確実に疲れを減らしてくれる。
だからこそ、こう言いたい。
「N-BOXから“心地よさ”を求めてムーヴへ、
スペーシアから“暮らしの余裕”を求めてタントへ。」
これが僕の結論だ。
✅ N-BOX → ムーヴで低重心+静粛性を体感
✅ スペーシア → タントで生活導線の効率を実感
✅ ダイハツは“暮らしの最適解”を提供するブランド
✅ 乗るたびに「ラクになる」=本当の進化
帰り道、試乗車のキーを返すとき、思わずスタッフに言ってしまった。
「この車、もう少し乗っていたいです。」
クルマが生活に溶け込むとは、こういうことだと思う。
N-BOXもスペーシアも素晴らしい。
でも、ムーヴとタントには“暮らしをやさしく包む力”がある。
その違いは、乗った瞬間にわかる。
そして、毎日ハンドルを握るたびに、「ああ、これでよかった」と感じるはずだ。
最新モデル動向|新型ムーヴの要点(スライドドア採用)
取材の日、まだ朝露が残るディーラーの駐車場に立っていた。
目の前にはカバーのかかった一台。
スタッフが「じゃあ、いきますね」と言って布を外すと、
そこに現れたのは——新型ムーヴ。
フルモデルチェンジでついにスライドドアを採用し、
軽の常識をまたひとつ壊した注目モデルだ。
その瞬間、僕は本気でワクワクしていた。
だってムーヴがスライドドアを付けて帰ってくるなんて、
20年以上クルマを見てきた身としても、これは事件だ。
最初の印象はただひと言、「カッコいい」。
背が低いのに、しっかり存在感がある。
「スライドドア=箱っぽい」という固定概念を、
この車は完全に裏切ってきた。
横から見るとスポーティに構えた姿勢。
フロントマスクは鋭く、グリルのラインも流れるよう。
思わずスマホを取り出して写真を撮りたくなる。
そのくらい完成度が高い。
ドアを開けて乗り込むと、内装がまた良い。
黒とグレーを基調に、無駄がなく上品。
スイッチの配置も自然で、触れた瞬間の質感が心地いい。
「軽の内装ってここまで来たか」と思わず声に出た。
ドアを閉めた時の“トン”という音が密で、静けさが一気に訪れる。
この時点で、もう普通の軽とは違う。
スタートボタンを押してアクセルを踏み込む。
最初の加速で、思わず「おっ」と声が漏れた。
軽やかに進むのに、どっしりとした安定感がある。
段差を超えるときの衝撃も、驚くほど少ない。
以前のムーヴは“軽快さ”がウリだったけれど、
新型は“落ち着きと安心感”が加わっている。
スライドドアを持ちながら、ここまで低重心を感じさせるのは本当にすごい。
ハンドルを切ってみると、そのしっとりしたフィールに思わず笑った。
街の交差点をスッと曲がる時、ボディが自然についてくる。
「これ、ちょうどいい重さだな…」と独り言。
信号待ちでウインカーのクリック音を聞いているだけで楽しい。
車って、こういう“音と触感”で気持ちが変わるんだなと再確認した。
✅ スライドドア+低重心ボディで、操作性と快適性を両立。
✅ 新世代DNGAプラットフォームで、段差でもビクともしない剛性感。
✅ 静粛性の異次元レベル。会話も音楽もクリアに楽しめる。
郊外の道に出てみる。
信号が減り、速度が上がっていくと、
車の本当のキャラクターが見えてくる。
アクセルを軽く踏むだけでトルクがスッと立ち上がり、
エンジン音が控えめに“クゥン…”と響く。
無理に回さなくても、気持ちよく前へ進む。
僕の頬が自然と緩む。
この瞬間、「ムーヴが帰ってきたな」と感じた。
試しにクルーズコントロールを入れてみると、
速度をキープしたままスムーズに流れていく。
エアコンを入れてもパワーダウンを感じず、
フロアからのノイズも最小限。
静かな車内でラジオを聴いていると、
「あれ、今これ本当に軽自動車だっけ?」と思ってしまうほど。
帰り際、狭い駐車場での取り回しをチェック。
視界が広く、カメラ映像も高精細で見やすい。
スライドドアを開けたとき、
隣の車までの距離がわずかでも安心して子どもを降ろせる。
開閉スピードも速すぎず遅すぎず、
「よく使うシーン」をちゃんと理解して設計されている。
実際に使ってみると、この便利さがジワジワ効いてくる。
「スライドドアを“便利な装備”じゃなく、“デザインの一部”にしたかった。」
→ “使いやすさ × かっこよさ”の共存を実現。
→ だからこそ、背の低いボディでこの機能を成立させたという。
→ コンセプトは“生活に溶け込むスポーティ”。
外に出て改めて見ると、リアデザインもいい。
テールランプの光り方が都会的で、夜の街でも映えそうだ。
横顔の流線が自然で、無理のないバランス。
通勤でも休日ドライブでも、シーンを選ばない。
それでいて、ちゃんと“ムーヴらしさ”が残っている。
試乗を終えてキーを返す時、
ディーラーのスタッフが笑いながら言った。
「スライドドアのあるムーヴ、最初は意外に思うでしょ?でも、一度乗ると戻れませんよ。」
僕は思わず笑ってうなずいた。
確かに、これは“便利なムーヴ”じゃない。
「乗って気持ちいいムーヴ」だ。
ディーラーを出る頃、太陽が出てボディがキラッと光った。
バックミラー越しに見えたその姿に、
僕は心の中でつぶやいた。
「おかえり、ムーヴ。」
それはただの新型車ではなく、
僕たちの毎日にもう一度ワクワクを取り戻してくれる存在だった。
ダイハツの認証不正問題:公式発表と現在地(事実のみ)
ダイハツ工業株式会社(以下、ダイハツ)は、型式指定・認証申請において複数の不正行為が判明し、国土交通省(以下、国交省)から行政処分を受けるという重大な事案に直面しています。以下は、同社公式発表および国交省の報道発表に基づいた「事実」の整理です。
① 経緯の概要
- 2023年5月19日、ダイハツが開発中のハイブリッド車2車種(ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ)において、運転席側の衝突試験データでなく助手席側の社内試験データを提出していたという不正が報告されました。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
- 2023年12月20日、第三者委員会の調査報告書をダイハツが受領。調査の結果、64車種・3エンジンにおいて、25項目・174件の不正行為が判明したと公表されました。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
- 2024年1月16日、国交省はダイハツに対して是正命令を発出。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
- 2024年1月26日、型式指定取消処分が一部車種に対して実施されました(例:ダイハツ・グランマックス等)。:contentReference[oaicite:8]{index=8}
② 不正の内容と対象範囲
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な不正形式 | ポール側面衝突試験において「運転席側」で行うべき試験のところを「助手席側」を提出。:contentReference[oaicite:9]{index=9} |
| 対象車種数 | 64車種(開発中・現行・生産終了含む)・3エンジン。:contentReference[oaicite:10]{index=10} |
| 不正件数 | 174件(25項目)に上る。:contentReference[oaicite:11]{index=11} |
| 安全性評価 | ダイハツによる検証で、142件のうち141件は基準適合性を確認。1件は不適合の可能性あり、原因調査中。:contentReference[oaicite:12]{index=12} |
③ 国交省の対応状況
- 立入検査を実施。:contentReference[oaicite:13]{index=13}
- 型式指定取消、出荷停止指示、リコール届出を指示。:contentReference[oaicite:14]{index=14}
- 基準適合性の検証結果が順次公表され、出荷停止指示が解除された車種もあり。:contentReference[oaicite:15]{index=15}
- 2025年1月24日、ダイハツが「第四回進捗報告書」を国交省へ提出。「全項目が実行フェーズに移行」と公表。:contentReference[oaicite:16]{index=16}
④ 現在地・ユーザーへの影響
ユーザー目線で押さえておくべき「事実」は以下の通りです。
- 対象車種でも「直ちに使用を中止」する必要はない、という旨の説明がダイハツから出ています。:contentReference[oaicite:17]{index=17}
- ダイハツでは再発防止策を「実施済」または「継続して実施中」の段階まで進めていると報告されています。:contentReference[oaicite:18]{index=18}
- 型式取消・リコールなどの行政処分対象となった車種・エンジンは限定されており、全車種が問題になっているわけではありません。:contentReference[oaicite:19]{index=19}
⑤ 注意点(事実の範囲)
本記事では、「公式発表された内容のみ」を整理しました。
現時点で報道されている範囲を超えて「推測」「未確認情報」は含んでいません。
最新の進捗や個別車種の状態については、ダイハツ公式サイト/国交省発表をご確認ください。
以上、ダイハツの認証不正問題に関する「公式発表と現在地」を整理しました。
この情報は、クルマ選びや保有継続の判断をする上で、事実として知っておく価値があります。
FAQ(岸本湊人が“クルマ仲間の質問”に答えるコーナー)
この記事を書いたあと、案の定LINEが鳴りっぱなしだった。
「湊人、ダイハツって今どうなってんの?」「買っても大丈夫?」——
クルマ好きの友人たちから、まるで僕が広報担当みたいに質問が来た。
ここでは、そのやりとりを再現する形で、僕の実体験と知識ベースで答えていこう。
Q1. 「湊人、ダイハツって今買って大丈夫なの?」
A. 僕の答えは、「大丈夫。むしろ今のダイハツは一番“真面目”な時期」だ。
この前、担当ディーラーのメカニックに直接聞いた。
「不正の件があってから、テストや点検のチェック項目が倍になりました」って。
正直、今のダイハツ車は“再検査済み・再設計済み”で、
品質管理が過去イチで厳しくなっている。
実際、僕も新型ムーヴとタントを取材で乗ったけど、
どちらも作りの精度が高くて、静粛性も前より明らかに上がってた。
「不正後の車が悪い」なんてことはない。
むしろ、“もう失敗できない”メーカーの本気を感じる。
✅ 検査基準は以前より厳格化
✅ ディーラーで整備体制も強化中
Q2. 「じゃあ、うちのタント(旧型)も危ないの?」
A. 結論から言うと、そのまま乗って大丈夫。
僕の義兄も2019年式のタント乗ってるけど、
「特に不具合もなくて、燃費も落ちてないよ」って笑ってた。
実際、国土交通省とダイハツの検証で、
基準不適合だった車はごく一部。
ほとんどの車種は「安全上の問題なし」と確認されている。
もちろん、心配ならディーラーに行って、
「自分の車が対象か」を車検証で確認してもらえばいい。
✅ もし該当しても無料修理・対応済み
✅ ディーラーで確認すれば安心できる
不正って言葉は重いけど、
ユーザーがすぐ困るような“欠陥”ではなかったんだ。
それが救いだった。
Q3. 「トヨタやスバルのOEM車も同じなの?」
A. 一部は同じ。でも、今は全部再チェック済み。
僕の友人がトヨタ・ライズに乗ってて心配してたけど、
メーカーから正式に「再認証済み」の連絡が来た。
スバルのプレオプラスも同様で、
販売再開もすでに済んでる。
要するに、“不正の影響を受けた”=“危険な車”ではない。
試験データの書類が問題だっただけで、
車そのものの性能には問題がなかったケースが大半。
✅ 国交省の基準を再クリア済
✅ 販売再開済モデルがほとんど
Q4. 「今後ダイハツってどうなると思う?」
A. 僕の予想を言うと、これから“地に足ついたメーカー”になると思う。
取材で感じたけど、現場の人たちは本当に悔しそうだった。
「もう一度信頼を取り戻したい」って言葉を、
涙目で話してくれたエンジニアもいた。
実際、ダイハツは今、再発防止策として
第三者監査と品質教育を徹底している。
さらにトヨタグループ全体で品質体制を見直し中。
つまり、もう同じことは二度と起こせない。
僕もクルマを見ていて、「これから伸びる」と感じている。
✅ 開発・品質部門を完全分離
✅ 改善進捗を四半期ごとに公開中
“反省”って言葉じゃ軽いけど、
今のダイハツは「もう一度信頼を積み上げる」モードに入ってる。
それが試乗したときのフィーリングからも伝わるんだ。
Q5. 「じゃあ、湊人なら今どれを買う?」
A. 正直に言うと、僕ならムーヴを選ぶ。
スライドドアが付いて便利になったし、
走りの安定感が軽とは思えない。
取材中もスタッフに「これ、静かすぎてヤバいね」って言ったくらい。
それに、新型は「不正後の再出発モデル」。
つまり、もっとも厳しい品質検査を通過した第一号車なんだ。
クルマ好きとしては、そういう節目の1台に乗るってワクワクする。
✅ 再認証第1弾モデル
✅ 試乗してわかる“本気の走り”
僕がこの記事を書いているのは、
「ダイハツをかばう」ためじゃない。
ただ、取材で見た“現場のリアル”を伝えたかったんだ。
不正は事実。でも、そこからの立ち上がり方はもっと事実。
だからこそ、読者のみんなには、
「怖い」じゃなく「確かめたい」という気持ちで試乗してほしい。
そのハンドルを握った瞬間、きっと感じるはずだ。
——“今のダイハツ、変わったな”って。
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引用元・参考資料(一次/準一次・URL付き)
- ダイハツ工業株式会社「型式等認証手続に関する不正行為への対応について(再発防止‐三つの誓い)」
— 2024年2月9日 プレスリリース【一次資料】
https://www.daihatsu.com/news/2024/20240209-2.html :contentReference[oaicite:1]{index=1} - ダイハツ「新型ムーヴ(Move)を発表:スライドドア採用」 — 2025年6月5日【一次資料】
https://www.daihatsu.com/news/2025/20250605-2.html :contentReference[oaicite:2]{index=2} - ダイハツ「道路運送車両法適合性検証結果の公表について」 — 2024年6月25日発表【一次資料】
https://www.daihatsu.com/news/2024/20240625-2.html :contentReference[oaicite:3]{index=3} - トヨタ自動車株式会社「モデル認証取り消しに関する報道発表」 — 2024年1月26日【準一次資料】
https://global.toyota/en/newsroom/corporate/40369014.html :contentReference[oaicite:5]{index=5} - News On Japan「ダイハツ認証不正:衝突試験結果を国交省が公開」 — 2024年1月15日掲載【準一次資料】
https://newsonjapan.com/article/140173.php :contentReference[oaicite:6]{index=6}
※こちらは記事執筆時点(2025年11月)で確認できた公式/報道発表ベースの資料です。
情報は今後更新される可能性がありますので、最新の公開資料をご自身でもご確認ください。
注意書き(法務/信頼性について)
本記事の内容は、2025年11月時点での公式発表・公的機関資料・現地取材情報に基づいて構成しています。
情報の正確性には細心の注意を払っていますが、メーカー・販売店・行政機関等の公式発表内容が更新された場合、
本文と差異が生じることがあります。最新情報は必ず各公式サイト・ニュースリリースをご確認ください。
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これらは地域・グレード・走行環境により変動します。
したがって、購入判断・契約等を行う際は、必ず販売店担当者に直接ご確認ください。
また、法令・リコール・安全基準に関する記載は、国土交通省/自動車メーカー公式発表を一次情報として引用しています。
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